塗師祥一郎鑑定委員会

塗師祥一郎について

 塗師祥一郎は、1932年( 昭和7 年) 、陶芸家・塗師淡斎の長男として、石川県小松市に生まれた。塗師家は、江戸初期から続く加賀藩の塗物師の家系であった。誕生後間もなく一家で埼玉県の大宮に移り住むが、1944年、小松市に戻り、終戦後、金沢に移る。
 旧制中学の在学中であった1947年北国現代美術展に『静物』を出品、光風会の中村研一に見出され吉川賞を受賞した。金沢美術工芸短期大学( 後4 年制大学に変更) に進み、光風会の小絲源太郎に師事。弱冠20歳で日展、光風会展に初入選するなど、早熟な画才を示して頭角を表した。 卒業後は、中学の美術教師として大宮に戻り、師である小絲源太郎の元に通いながら画家を志していたが、「良い教師になろうとすると画家にはなれない」と、2年で教師の職を辞し、以後画業に専念する。
 初期の作品は、『鍛冶屋』( 1959年) や『陶土』( 1953年) に代表される。計算され尽くした構図と強靭なマチエールが特徴である。「表面のかたちではなくその奥にあるものを掴みたい」と強い意欲が感じられる。
 1965年以降、次なるモチーフを探しに北の国を巡り、『針葉樹林』、『はさぎ』、『北海』など実験的作品を展開したのち、雪や北国を主要なモチーフとした作品を生み出すようになる。塗師は、雪に魅了されていった過程を、「雪のつくりだす色面、空間が絵作りの中で非常に面白く効果として出せると思い、絵作りの中で雪を利用するのが最初でしたが、雪の中を歩いて行くと雪の中の生活をある程度体験しているので、その思い入れが入ってきて、雪の中にどっぷりつかってしまったというのが現実なのです」と回想している。
 塗師の描いた雪景色は、厳寒な雪山や名所ではなく、名もない小さな村や奥深い集落の雪解けの季節が多い。それは、少年時代に過ごした石川県での生活と無関係ではないはずであろう。日本海側特有の厳しい冬、低く垂れ込めた空、それと同時に、凍てつく雪に耐えながら春を待ちわびる人間の息遣い、やがて地面の底から芽吹く草花の胎動など、塗師にとっての雪景色は、季節の始まりであり、生命の始まりであった。
 やがて「待春の雪景色の名手」として評価を高めていった塗師は、1990年第一回大宮市文化賞、1992年第35回埼玉文化賞、1997年日展出品の『山村』で文部大臣賞を受賞、2003年『春を待つ山間』( 2002年)で芸術院賞受賞、芸術院会員となり、2008年には勲三等旭日中授章を受けるなど、画壇の頂点を極めた。
 たゆまぬ研鑽と温厚な人柄で人望も厚く、日洋会理事長、日展顧問、埼玉県美術家協会会長を歴任し、平成の日本近代洋画の発展と多くの後進に影響を与えた。

2016年9月 84年の生涯を閉じた。

塗師祥一郎鑑定委員会 発足にあたって

父 塗師祥一郎の作品を後世に伝えるべく、この度、塗師祥一郎鑑定委員会を発足いたします。
父の生前は多くの皆様に大変お世話になり、また父の作品を愛してくださる皆様に、この場を借りて改めて心より感謝申し上げます。

祥一郎は、70年以上の創作活動を通して日本の洋画壇を牽引し、洋画の真髄をひたすら追求し、多くの作品を世に送り出しました。
父の作品を御所蔵の方々におかれましては、今後とも、彼の作品を末長くお手元におかれて鑑賞されますことを切に願っております。

鑑定の流れ

鑑定日
偶数月 第一土曜日
※お急ぎの場合はお問合せください。
鑑定費用
鑑定受付料金: 10,000円(作品持込時)
鑑定証書発行代金: 20,000円(証書受け渡し時) 合計30,000円
受 付
作品は、全てお持ち込みの受付となります。
郵送や出張は受け付けませんのでご了承ください。
奇数月20日までにお持ち込み頂いた作品を、偶数月の第一土曜日に鑑定いたします。
作品をお持ち込みされる際は、3日前までにご連絡くださいますようお願い申し上げます。
鑑定受付料はお申込み時に、真筆の場合は鑑定書を発行時に、いずれも現金のみのお支払いとさせていただきます。
受付窓口
埼玉画廊
キャンセルポリシー
鑑定依頼受付後のキャンセルは受け付けませんので、何卒ご理解をお願い致します。
なお、真作だった場合、必然的に鑑定証書が発行されますのでその点も重ねてご了承ください。

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FAX: 048-271-5080

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