2018年9月16日(日)~24日(月・祝)
*18日(火)は休廊

10:00~18:00  *最終日は15:00まで

 

 

 幼少期の私は、眠りが浅かったためか、まだ薄暗い時間に目覚めることがよくありました。
 そして、布団をかぶったまま手に届く位置にある窓を少し開け、青く静寂に包まれた外の世界をじっと眺めていました。
 このシチュエーションが私の中に色濃く残っているのですが、その時窓の外に何を見ていたのかは思い出せません。
 時間を経た今では、この青い光景に世界の始まりや原風景のようなものを重ねています。
 景色が青く染まるこの現象はブルーモーメントと呼ばれ、夜明け前と夕暮れ時のわずかな時間帯に訪れます。
 特に薄明かりの長い欧州に滞在していた時には、深い青が一面に広がる様に強い神秘性を感じました。
 一方これらを舞台に本作の主役を果たすのがリンゴです。リンゴは、言語を支えるアルファベットのはじまりに例えられ、
旧約聖書の知恵の木からアップル社のシンボルに至るまで、いつも人間の歴史の傍らにあります。
 そうしたことから、リンゴは人の行方を示すものだと考えています。
 本展では、青い素材と金属箔を基調に、世界の始まりとそこに臨む人の姿を表現した新作を発表します。
 まだ誰もが眠っている夜明け前の静かなひと時を、どうぞご覧ください。

 

                                          2018年8月  市川裕司

 

      「目覚めの木 Ⅰ」             「In the blue」           「blue moment」 

       (2300×1750mm)           (249×340mm)             (249×340mm)

   障子戸、顔料、アルミ箔、樹脂膠、     顔料、樹脂膠、アクリル板        アルミ箔、樹脂膠、アクリル板

   ウレタンフォーム

 

 


市川裕司 略暦

 

1979年 埼玉県嵐山町生まれ
2003年 多摩美術大学 美術学部 絵画学科 日本画専攻 卒業
2005年 多摩美術大学大学院 美術研究科 絵画先攻 日本画領域 修了
2012年 五島記念文化賞 美術新人賞 受賞
2012年 五島記念文化財団海外研修員としてドイツ・デュッセルドルフに滞在(-2013)

 

<個展>    銀座三越、スパイラルガーデン(東京)、コバヤシ画廊(東京)、ドイツ 他
<グループ展> 埼玉県立近代美術館、神奈川県民ホールギャラリー、東京都美術館、京都市美術館、太田市美術館・図書館(群馬県) 他