木下晋展
-いのちに触れる-
2020年11月21日(土)~28日(土)
10:30~17:30 会期中無休
最終日 16:30まで
鉛筆画のサンクチュアリ
建畠晢
建畠晢
究極的な写実とは、いま目の前にあるものの本質に迫ること、命そのものに触れる瞬間をもたらすことではなかろうか。木下晋は他に類例のない表現力をもって鉛筆を走らせるが、彼の関心は再現的な描写にあるわけではない。彼はパーキンソン病で硬直した自らの妻を描くが、その麗しい陰影は、澄んだ透明感のある光であり、存在の本質だけを突き詰めようとする画家の眼差しが浮か浮かび上らせた聖なる光景である。
木下は妻をどんどん魅力的になっていく理想のモデルだという。裸の彼女が衣服を身につける後ろ姿を描いた一見、グロテスクな作品は、語義矛盾を承知でいうのだが、画家なる者の業の崇高さを感じさせずにはおかない。その妻が語った「まるでとり憑かれたように、この人は重い鎖を足につけたままに光に向かって歩いていく」という言葉は、私たちを深い感動に誘う。鉛筆画が向かう極限的なサンクチュアリ!
事前に収録した [木下晋×建畠晢ギャラリートーク]を上映します。
展覧会期間中毎日 ①11:00~ ②14:00~
木下 晋(きのした・すすむ)
69年評論家・瀧口修造氏、72年洲之内徹氏らと知遇を得る。
77~78年頃 川口市に在住。
81年ニューヨークに渡り、荒川修作と出会う。帰国後、鉛筆画を本格的に始める。
瞽女・小林ハルや元ハンセン病の詩人・桜井哲人らを描く。
国立国際美術館、福岡市美術館、神奈川県立美術館、新潟県立近代美術館、宮城県立美術館、沖縄県立美術館他多数
1947年富山市生まれ。
69年評論家・瀧口修造氏、72年洲之内徹氏らと知遇を得る。
77~78年頃 川口市に在住。
81年ニューヨークに渡り、荒川修作と出会う。帰国後、鉛筆画を本格的に始める。
瞽女・小林ハルや元ハンセン病の詩人・桜井哲人らを描く。
東京大学工学部建築学科講師、武蔵野美術大学客員教授、金沢美術工芸大学大学院博士課程専任教授などを歴任。
《パブリックコレクション》
国立国際美術館、福岡市美術館、神奈川県立美術館、新潟県立近代美術館、宮城県立美術館、沖縄県立美術館他多数