2020.12.10 ~ 2021.1.30
[休廊]12/14,21,年末年始,1/11,18,25
10:30 ~ 17:00
「美しさを求める心」をいつも根底にして仕事をしている私共は、このコロナ禍の中、美しさを求める心を失わない為の努力の日々を過ごしてきました。企画展を実施し続ける日々の中で、皆様が癒され、ホッとし、安心でき、そしてウイルスの不安にも負けず、人間の創造力を信じ続け、勇気づけ、希望を持てる展覧会は何かと考え続けました。
年末年始の期間、画廊の所蔵品の中から、選りすぐったものを見て頂くことにします。
シャガール、ルノワール、ゴーギャン、デュフィは20世紀フランスを拠点に活動し、美術史にその名を残した作家達です。
フジタ(藤田嗣治)は日本人として、ヨーロッパを拠点に活躍し、多くの作品を残した稀な作家です。評価は近年益々高まり、高騰の一途を辿っています。
バンクシー!! 今もっとも世界の注目を浴びています。この謎の“覆面アーティスト”は、世界の至るところに出没して、公共の場所に描くことで話題をさらっております。そのことで社会とのコミュニケーションをとるという、新しい社会派アーティストといえるでしょう。
画廊内は換気、空気清浄、消毒、加湿に心掛けており、安心してゆっくりと名画を鑑賞して頂けます。
19世紀のイギリスのビクトリア朝時代初頭の家具、18世紀フランスのシャンデリアなど、趣のあるくつろいだ空間を演出しています。是非皆様には落ち着いた空間で、年末年始の慌ただしさを一時忘れて、お過ごし頂けることを願っております。
コロナ禍の中、不穏な時代ですが、アートに希望の光が見出せることを信じております。 画廊主
繊細なエッチングの線が特長。油彩作品である『ブージヴァルのダンス』から制作したエッチング。まるで音楽が聞こえてきて、ダンスの動きが伝わってくるようだ。女性のドレスの裾は動きで揺れ、男性のジャケットは勢いで広がっている。この様なダンスの細かな動きの表現は、エッチングだからこそ為せる技と言える。
『ブージヴァルのダンス』は、ルノワールによる1883年作。現在は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州、ボストン美術館の所蔵で、「美術館で最も愛される作品のひとつ」とされている。作品のモデルは、ルノワールの友人シュザンヌ・ヴァラドンとポール=オーギュスト・ロートである。この作品は、ルノワールが印象派独特の明るい色合いを維持しながらも、ルーヴル美術館の絵画の模写を通して学んだ、より古典主義的な様式を取り入れた最初の作品だと言われている。
1929年〜1930年に制作されたエッチング。猫、子供シリーズと並んで、藤田銅版画の最高傑作の一つとして名高い作品。
エ・コールド・パリ時代の乳白色の肌の油彩の雰囲気を良く伝えており、その滑らかな下地の表情を生かした質感、繊細な描線、柔らかな色彩は油彩画と見紛う程で、日本的で洗練された美しさを漂わせている。
この作品はタヒチ時代に制作したエッチングである。ゴーギャンは、実は、版画、彫刻、陶芸など数多く制作し、文章も多く残している。それまでの印象派とははっきりと異なる実験的な色使いで制作していた後期印象派の代表的な作家で、彼はピカソやマティスといったのちの前衛美術家や近代美術に大きな影響を与えた。
「ルピック通り」は、デュフィがパリ国立美術高等学校(エコールドボザール)時代、又は卒業直後に描かれた作品。アクリルガッシュ(水彩)とパステルを巧みに使い、軽やかなタッチでパリの風景を描いており、描写力の高さから才能を垣間見ることができる。
この作品は、シャガールが古代ギリシアの純愛小説「ダフニスとクロエ」をもとに制作したリトグラフ集の中の名品。シャガールの「ダフニスとクロエ」は、世界的にも挿画本の最高傑作として大変有名な作品であり、これは最も幸福な最後の祝宴の場面である。その美しい色使いにこそ、シャガールが今世紀最大の愛の画家と言われる所以である。
イギリスのストリートを中心に、公共の建物の壁などに絵を描き、グラフィティ・アーティストとしての活動を行っているBANKSY。”風船と少女”のモチーフは、ストリートアートとしていくつか残しているが、2018年10月のサザビーズ・オークションで、キャンバスに描かれた「風船と少女」の作品が、落札された直後にシュレッダーで裁断され、話題となった。
本作品は、イギリスのWEST COUNTRY PRINCE(WCP)で制作された「風船と少女」のリプロダクション作品である。WCPの複製技術と本物さながらの工程は評価が高く、高価になったオリジナル作品の争奪戦から早々と撤退したバンクシーのコレクター達からも支持を集めている。